イダ・ヘンデルの放送用貴重録音から (1/2) <ブラームス&メンデルスゾーン>

昨年91歳で天寿を全うした世界的名女流ヴァイオリニストのイダ・ヘンデルの貴重放送用録音から2回にわけ紹介したい。 彼女はLP初期に英HMV(EMI)にそこそこの録音をしているが日本ではほとんど紹介されることがなかったようである。 今回の紹介盤ブラームスとメンデルスゾーンの二大ヴァイオリン協奏曲は1950年代放送用録音からのCD化で2008年に独ヘンスラー・クラシック(Hänssler Classic)から正規盤としてリリースされた。 ちなみにブラームスが1955年9月20日、メンデルスゾーンが1953年1月10日のモノラル録音であ。(写真1 CDジャケット、独ヘンスラーCD 94.202 /写真2 CD演奏データ/写真3 CD録音データ) 。 彼女によるブラームスのヴァイオリン協奏曲と云えばほぼ同時代録音のチェリビダッケ&ロンドン交響楽団とのEMI盤を思い起すがこちらの南ドイツ放送交響楽団(シュトゥットガルト放送響)との演奏も録音と共に素晴らしい。 またメンデルスゾーンは彼女の唯一の録音かと思われファンにはたまらない。 指揮するハンス・ミュラー=クライ(Hans Müller-Kray/1908~1969)はこの楽団の初代首席指揮者を務めた人である。 写真4は筆者が初めて彼女の生演奏に接した「1978年香港芸術祭」(漫遊記-6)でプログラムに入れてもらったサインである。

写真1    イダ・ヘンデル/放送用録音「ブラームス&メンデルスゾーンーヴァイオリン協奏曲」CDジャケット(独ヘンスラー CD 94. 202)

写真2    CD演奏時間データ

写真3    録音データ

写真4    「香港芸術祭1978」プログラムに入れてもらったイダ・ヘンデルのサイン