インバル&ベルリン交響楽団来日公演を聴く、2005
〜2005年3月9日、すみだトリフォニーホールにて〜
かつてベルリン東西にはそれぞれ「ベルリン交響楽団」と日本語表記されるオーケストラが存在し混乱を招いたことがある。 今回取り上げる団体は1952年ベルリン東地区に市立オーケストラとして設立、この来日公演の翌年2006年に「ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団」と改称、クルト・ザンデルリンクが1960年から首席指揮者・名誉指揮者を務め現在「ベルリン・コンツェルトハウス(旧シャウシュピールハウス)」を本拠とするオーケストラである(写真1 ベルリン・コンツェルトハウス・2002年9月筆者撮影、まだこの時代は「シャウシュピールハウス」と呼ばれていた)。
初来日はザンデルリンクと共に1974年と記憶しているが今回は当時の首席指揮者エリアフ・インバルと来日した2005年の公演を振り返ってみたい(写真2 2005年来日公演プログラム表紙)。 インバルは2001年にこの楽団の首席指揮者に就任、11月にはこの楽団との来日公演も行っており今回は2度目の公演となった(写真3 2005年ベルリン響来日公演日程)筆者は3月9日「すみだトリフォニーホール公演」/「すみだ平和祈念コンサート」に足を運んだ(写真4 当日、会場で配布された公演プログラム表紙)。 このコンサートでは60年前3月10日「東京大空襲」の犠牲者を追悼し恒久の平和を希求するという意義深いものがあった。 その趣旨からも武満 徹の「弦楽のためのレクイエム」が最初に演奏されたことは印象的だった。 またプログラムの最後を飾ったベルリオーズ「幻想交響曲」もインバルのメリハリがきいた指揮がとても印象的だったことを思い起した(写真5 3月9日演奏プログラム)。 写真6は公演チケットである。