イーゴリ・マルケヴィッチ&ソヴィエト国立響モスクワ・ライブ、1963
イーゴリ・マルケヴィッチ(Igor Markevitch/1912~1983)は現在ウクライナ共和国の首都キエフ出身だが主として西側で活躍1960年「日本フィル」客演で初来日以降たびたびの来日を重ね亡くなる3ヶ月前1983年1月にはNHK交響楽団に客演し馴染みのファンも多かった。 彼はアクも強い指揮者でとりわけストラヴィンスキーの舞踊音楽「春の祭典」には定評があった。 筆者個人的には1979年、ロンドン交響楽団定期公演(ロイヤル・フェスティバルホール)で聴いた「春の祭典」も印象に残っている。 今回紹介する1963年5月のモスクワでのソヴィエト国立交響楽団とのライブ録音は彼がロシアのオーケストラを振った数少ない録音の一つと思われる。 こちらも前回(漫遊記576)で紹介した「バ-ンスタイン」ライブ盤と同様、スウェーデン「ジミー・クラシックス」レーベルより同時期にリリースされている。 1963年5月25日、モスクワ音楽院大ホールでのライブ録音(モノラル)でワーグナーのオペラ管弦楽曲を中心に組まれたプログラムである。 彼のワーグナー作品は「ラムルー管弦楽団」や「ベルリン・フィル」とのセッション録音(1950年代)を思い起すがこの「ソヴィエト国立響」との演奏はライブならではの一味違う個性がうかがえる(写真1 「Igor Markevitch in Moscow」CDジャケット、Jimmy Classics OM03-132 /写真2 演奏・録音データ/写真3 CDレーベル面)。
●CD収録作品
1. 歌劇「タンホイザー」序曲、 2. 楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲と愛の死」、3.楽劇「ワルキューレ」から「ワルキューレの騎行」、4.「ジークフリート牧歌」、5.楽劇「神々の黄昏」から「ジークフリートのラインへの旅」、6.楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲