ウィーン国立歌劇場 来日公演 "エレクトラ”(本邦初演)を観る、1980
〜1980年10月19日、NHKホールにて〜
「ウィーン国立歌劇場」初の日本公演は今から40年近く前に遡る1980年のことだった。 9月30日東京文化会館におけるカール・ベーム指揮によるモーツアルト歌劇「フィガロの結婚」で幕を開け約1ヶ月に渡る長期引越し公演が東京・横浜・大阪で開催された(写真1 1980年ウィーン国立歌劇場来日公演プログラム表紙/写真2 来日公演日程)。 筆者は今回本邦初演となる10月19日のR.シュトラウス「エレクトラ」初日公演(NHKホール)に足を運んだ。 この公演ではタイトロールの「エレクトラ」を歌うスウェーデン出身の世界的名ソプラノ「ビルギット・ニルソン(1918-2005)」(写真3)に注目が集まった。 当時すでに62歳を迎える彼女だったがそのドラマチックな声量は健在だった。 指揮は旧ユーゴスラビア(現、クロアチア)出身の名オペラ指揮者ベリスラフ・クロブチャールが担当、演出・美術はR.ワーグナーの孫にあたるヴィーンラント・ワーグナー(1917-1966)によるもので彼独特の心理的、暗示的効果を狙った暗闇の中での巧みな舞台照明も印象的だった(写真4 「エレクトラ」キャスト一覧)。 写真5は10月19日の公演チケットである。