エフゲニー・スヴェトラーノフによるグリンカ&カラーエフ管弦楽作品集
今回はエフゲニー・スヴェトラーノフが振る「グリンカ」と「カラーエフ」の管弦楽作品を集めた少々マニアックなCDを取り上げてみたい。 後者カラ・カラエーフ(Kara Karaev/1918~1982)はショスタコーヴィチに学んだアゼルバイジャン出身、「ソ連人民芸術家」の称号を持つ現代作曲家だが日本での知名度はマイナーかも知れない。 紹介のCDアルバムではグリンカ40歳(1844年)の時ベルリオーズと出会うパリを経由してスペインを旅した際に魅せられた民謡や舞踊の印象を音楽にした二つの幻想的序曲「ホタ・アラゴネーサ」「マドリードの夏の夜の思い出」や歌劇「ルスランとリュドミラ」から「チェルノモール行進曲」「東洋の踊り」等々情熱的な作品が興味深い。 またカラーエフの舞踊音楽「雷(いかずち)の道」は植民地支配と闘うアフリカ人民を題材にして作品でCDには6曲から成る組曲が収録されている。 この作品の第1曲「序奏」にはメゾ・ソプラノ:ヴァレンティナ・クレパツカヤの独唱も加わる。 管弦楽はグリンカ作品がソヴィエト国立交響楽団、カラーエフ作品がボリショイ劇場管弦楽団となっている。 CDブックレットには録音データ記載はないがオリジナルは露メロディア音源である(写真1 CDジャケット、国内盤ビクターVICC-2139 /写真2 CD収録作品・演奏データ)。