オランダの名匠パウル・ファン・ケンペンの「英雄」、1953
20世紀前半に活躍したオランダを代表する名匠のひとりパウル・ファン・ケンペン(Paul van Kempen/1893~1955、写真1)のレコードに針をおろすといつも感じることだが演奏のスケール感に圧倒される。 今回紹介する「ベルリン・フィル」とのベートーヴェン交響曲第3番「英雄」は「第7番」・「第8番」と共に1953年にオランダ・フィリップスに遺した一連の録音である。 写真2のLPジャケットはアメリカのエピック(EPIC)レーベル初出盤(LC-3016 モノラル録音)でこのジャケット・デザインも気に入っている。 ちなみに先日、「漫遊記605」で国内盤EPIC-ニッチク(日蓄)プレス、ベイヌムのLPを取り上げているがレーベル面はこの米EPIC盤と同デザインである(写真3 米EPICレーベル面)。 またちょっと余談になるがジャケットの「EPICロゴマーク」左側に「RADIAL SOUND(レーディアル・サウンド)」の「RADIAL」は放射状を意味し「ステレオ録音」登場前の放射状に広がる「ハイファイ(Hi-Fi)」サウンドを意味していたのであろう。 確かに今聴いてもモノラル録音ながら音質も大変素晴らしい。