カラヤン、ウィーン国立歌劇場/ピツェッティの歌劇「大聖堂の殺人」ライブ盤
今回はヘルベルト・フォン・カラヤンが「ウィーン国立歌劇場芸術監督」時代に上演したイルデブランド・ピツェッティ(Ildebrando Pizzetti/1880~1968、写真1 インターネット画像から)の歌劇「大聖堂の殺人」ライブ盤を紹介したい。 このオペラは史実に基づいた英国の劇作家「トマス・スターンズ・エリオット (Thomas Stearns Eliot/1888~1965)の詩劇を題材にして1957年に作曲されたものである。 12世紀に実在した英国の大司教「トマス・ベケット」は時の国王「ヘンリーII世」と激しく対立、両者の関係が著しく悪化し彼はフランスに逃れる。 そして時を経て暗殺の危険を感じながらも彼が祖国に戻どったところから物語が始まる。 オペラは全2幕構成で上演時間はおよそ90分余り、オリジナルはイタリア語だがこの1960年のウィーン上演ではドイツ語版で演じられている。 カラヤンは当時3月9日・11日と2回の上演を行っているがCDには初日9日の上演が収録(モノラル録音)されている。 第2幕の大詰めで大司教「ベケット」は4人の刺客たちにより暗殺されてしまう。 やはり主役の大司教を演じた「ハンス・ホッター」の歌唱が印象的で素晴らしい。 日本では先ず観る、聴く機会がないオペラ作品なのでこのカラヤン盤は貴重録音の一つに数えられるであろう。 このライブ盤は「カラヤン生誕90年」の1998年にリリースされた(写真 2 ピッツェッティ歌劇「大聖堂の殺人」ライブ盤独グラモフォン457 671-2 /写真3 CD出演者・録音データ / 写真4 CD解説ブックレット表紙)。