カーメン・ドラゴンの思い出
数々のクラシックやポップスの名曲を色彩感ある豊かなオーケストラ・サウンドを聴かせたカーメン・ドラゴン(Carmen Dragon/1914~1984 、写真1)の思い出が脳裏をよぎった。 彼はアーサー・フィドラー(1894~1979、写真2)と並ぶポップス・オーケストラ界の巨匠だった。 また偶然にもフィドラーは1965年、ドラゴンは1978年に読売日本交響楽団に客演している。 筆者も運よくこの二人のコンサートに足を運んでいるが手元に当時のプログラムが残る後者のカーメン・ドラゴンの印象が強い。 彼は1978年の読響ニューイヤーコンサートの名曲シリーズ、第138回定期公演の指揮台に立った。 定期公演ではプロコフィエフ「古典交響曲」をはじめボロディン交響詩「中央アジアの草原で」リムスキー=コルサコフ「スペイン奇想曲」等々クラシックの名曲を振り華麗な演奏を楽しんだことを思い起した (写真3 読響第138回定期演奏プログラム)。 また彼は米キャピトル・レーベルに数多くの録音を残しておりなかでもアメリカの神童とも云われた往年の名ピアニスト:レナード・ペナリオ(Leonard Pennario/1924~2008)/ハリウッド・ボウル交響楽団との録音、アディンセルの名曲「ワルソー・コンチェルト」は今もよく聴く1枚である (写真4 LPジャケット、米Angel S-36062)。