カール・ベーム&ウィーン・フィル伝説の来日公演を聴く、1975
〜1975年3月23日、NHKホールにて〜
筆者が初めてカール・ベームの指揮に接したのは1963年10月のことである。 この年は日比谷の「日生劇場」が10月20日に開館、「こけら落とし公演」がベーム指揮する「ベルリン・ドイツ・オペラ公演」ベートーヴェン歌劇「フィデリオ」だった。 筆者はこの「こけら落とし公演」に足を運んでいるが当時のプログラムをはじめ資料を紛失しているため紹介できないのが残念である。 しかし幸い当時ベームのレコードに入れてもらった貴重なサインが日付入りで残っていた(写真1 ベームに入れてもらったサイン/ベートーヴェン「エロイカ」LPジャケット(グラモフォン国内盤))。 それから年月が経過し1990年代だったと思うがドイツの書店で購入した記録本「ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団の75年(Das Opernorchester in Charlottenburg 75 Jahre)にはこの1963年日本公演ツアーの記録も紹介されている(写真2 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団の75年記録本表紙)/写真3・4 1963年来日公演紹介ページ」。 またこの記録本には1926年~1949年にかけての演奏を記録した17cm盤(モノラル)も添付されていた(写真5)。
さて本題の1975年3月、今や伝説の公演とも云われるベームが指揮するウィーン・フィルの公演は3月16日から18日・21日・24日の休演日をはさみ25日まで東京・NHKホールで開催された(写真6 1975年ウィーン・フィル来日公演プログラム表紙)。 最終日25日のモーツアルト「交響曲第41番<ジュピター>」と「ウィンナ・ワルツプログラム」を除いて各2公演ずつ行われたが初日公演はチケット入手がかなり困難だったため何とか入手できたベームが最も得意とする「シューベルト・プログラム(写真7)」公演2日目(3/23)を鑑賞した。 ウィーン・フィルの美しいハーモニーと共にベームの「真骨頂」がすみずみまで発揮された見事な演奏を満喫した。 「NHKFM」では各初日公演を東京・関東、甲信越(3県のみ)はステレオ生中継で放送した。 また1980年代には限定盤でLPレコード化、さらに1990年代にはCD化もされている(写真8 1980年代に限定リリースされた「1975年ベーム&ウィーン・フィルLPBOX第1集ジャケット」)。 写真9は3月23日の本公演チケットである。