クララ・ハスキル、最晩年の名盤
今回はクララ・ハスキル(Clara Haskil/1895~1960)最晩年の名盤モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466・第24番ハ短調K.491にスポットをあててみたい。 この録音は彼女がブリュッセル駅での転落事故が原因で亡くなるおよそ1ヶ月前1960年11月パリの化学会館 (Maison de la Chimie)におけるステレオ・セッションで現在まで何度となくLP、CD化され不滅の名盤と呼ばれている。 紹介盤は筆者が高校時代に求めた当時まだ日本ビクターから発売されていた1965年リリースの懐かしいフィリップス盤である (写真1 LPジャケット、フィリップスSFX 7516 /写真2 LPレーベル面) 。 さらにこのLPには「第20番」のフル・スコアも添付されていた。 管弦楽はコンセール・ラムルー管弦楽楽団、指揮は当時の常任指揮者イゴール・マルケヴィッチである。 尚、カデンツァは「第20番」は自作、「第24番」においては「第1楽章」が自作、「第3楽章」はピアニストのニキタ・マガロフ作を弾いているところも興味深い。 また「第24番」はこの録音が唯一となった。