グリーグの交響曲
前回取り上げたヨハン・スヴェンセンと親交も深かったエドゥヴァルド・グリーグ(Edvard Greig/1843~1907)の唯一の「交響曲 」にスポットをあててみたい。 彼はノルウェーを代表する音楽家として日本でも最も知られているが交響曲は「ハ短調」の青年時代の習作のみである。 楽章は典型的な4楽章構成、第1楽章・第4楽章がソナタ形式、第2楽章がロンド形式、第3楽章は「間奏曲」でスケルツォ風楽章である。 ドイツ・ロマン派の交響曲を彷彿させる演奏時間およそ40分弱の味わいのある作品だがグリーグはスヴェンセンの「交響曲第1番」の初演を耳にして自らスコアを引っ込めてしまい後の演奏を禁止したいわくつきの作品である。 自筆譜はベルゲン公立図書館に保管されていたが初演からおよそ110年余りの時が過した1981年5月「ベルゲン音楽祭」でカルステン・アンデルセン指揮ベルゲン・フィルにより蘇演されている。 因みにレコード世界初録音もこの2か月前にこのコンビでセッション録音された「英デッカ盤」だったが今回紹介するLPはオッコ・カム指揮イェーテボリ交響楽団による1981年11月18日のコンサート・ライヴ盤である (写真1 オッコ・カム&イェーテボリ響、LPジャケット、スウェーデンBISLP-200 / 写真2 LP演奏・録音データ / 写真3 LPレーベル面)。 LPの第2面の余白にはほぼ同時期に作曲された演奏会用序曲「秋に」(1981年12月11日コンサート・ライヴ)が収録されている。 序奏アンダンテに続くニ短調の主題は1865年作曲の歌曲「秋の嵐」からとられている。