ケンペ&ドレスデン国立管によるR. シュトラウス「ヴァイオリン協奏曲&ブルレスケ」
今回の紹介LPは名匠ルドルフ・ケンペ(Rudolf Kempe/1910~1976)が晩年ドレスデン国立管弦楽団と取り組んだ「R. シュトラウス管弦楽曲・協奏曲全集録音プロジェクト」からの1枚である。 この録音は当時、東独シャルプラッテン(VEB Deutsche Schallplatten)と西独EMIとの共同企画で進められた。 紹介盤は1975年9月にドレスデン、聖ルカ教会でレコーディングされた「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」(Vn.ウルフ・ヘルシャー)と「ピアノと管弦楽のためのブルレスケ」(Pf.マルコム・フレージャー)を収めた1976年リリースの独EMI-Electrola盤である。 当時流行した懐かしいSQ4チャンネル・ステレオ仕様になっている(写真1 LPジャケット、EMI Electrola 1C 063-02 744Q/写真2 LPレーベル面)。 ヴァイオリン・ソロは古典派から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つドイツの名ヴァイオリニスト:ウルフ・ヘルシャー(Ulf Hoelscher/1942~)、ブルレスケのピアノはケンペとの共演も多かった米国出身のマルコム・フレージャー(Malcolm Frager/1935~1991)である。 フレージャーは作曲者自筆楽譜発掘にも力を注いだ。 筆者は偶然にも幸い彼がケンペと共演したロイヤル・フィル定期公演(1973年3月20日、ロイヤル・フェスティバル・ホール、ロンドン)でモーツァルト「ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595」を生で聴くことができた(写真3 ルドルフ・ケンペ&マルコム・フレージャー、1973年3月20日ロイヤル・フィル定期公演プログラム。ケンペ直筆サインは公演終了後に楽屋で入れてもらった。)