コンサート・ホール・ソサエティ盤の魅力的ジャケットから(3)
〜カール・シューリヒトの ”フランスA.C.C.ディスク大賞” 受賞盤〜
今回はドイツの名指揮者カール・シューリヒト(Carl Schuricht/1880-1967)の「フランスA.C.C.ディスク大賞」受賞盤2枚を取り上げてみたい。 因みに「A.C.C.」とは「Académie de Charles Cros(アカデミー・ド・シャルル・クロ)の略称で「シャルル・クロ」は19世紀に活躍したフランスの詩人、発明家でこの人に因んで発足した権威あるフランスの国際レコード・アカデミー賞である。 フランスでは他方この賞と並ぶ「ADF (Académie de Disque Français)大賞も存在する。
先ず(写真1)は1963年度受賞の「バイエルン放送交響楽団」とのブラームス「交響曲第4番」・「悲劇的序曲」が収録された1枚。 1960年代初頭のステレオ録音である。 シューリヒトらしく快速テンポで振る引き締まったブラームスが印象的でこのジャケット・デザインにも惹きつけられた(写真1 コンサート・ホール SM-2249/ 写真2 同、レーベル面)。
続く2枚目はオーケストラがオランダの「ハーグ・フィルハーモニー(レジデンティ)管弦楽団に変わり1965年度受賞のブルックナー「交響曲第7番」である。 これは結構話題になった1枚で当時まだ国内盤のブルックナー交響曲のレコードがそれほど多くない時代に廉価で入手できた1枚だった。 演奏時間も彼らしく全体的に快速テンポで振る約60分強のかなり鋭角的なブルックナーである。 ジャケットも「コンサート・ホール盤」らしいデザインに好感を感じた(写真3 ブルックナー交響曲第7番」、1964年録音(コンサート・ホール-SMS-2394)/ 写真4 同、レーベル面)。
(つづく)