サー・エードリアン・ボールトのヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第3番・第6番」
言うに及ばずサー・エードリアン・ボールト(Sir Adrian Boult /1889~1983)はヴォーン・ウィリアムズのスペシャリストだった。 彼は今回テーマの交響曲第3番・第6番のほか第2番・第4番の初演者でもあった。 しかもまだ「第9番」が作曲されてない1950年代にモノラル録音で「第8番」までの全曲録音を行っている。 その後彼はステレオで「第9番」を加えた2度目の全集盤を完結した。 紹介盤はその一連のステレオ録音から「ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」との「第3番」と「第6番」がカップリングされた名盤である。 前者「第3番」は「田園交響曲」と呼ばれ抒情的、瞑想的な楽想が印象的で前回の「南極交響曲」と同様に終楽章(第4楽章)にヴォカリーズによるソプラノ独唱が加わり静かに締めくくる。 この録音では往年の英国のソプラノ:マーガレット・プライスが歌う。 一方「第6番」は激しく闘争的な楽想が印象的な作品、4楽章構成だが各楽章間は切れ目なしで演奏される。 ただフィナーレ楽章はそれまでの楽章とは対照的で極端に穏やかな静寂感に興趣をそそる。 録音は「第3番」が1968年、「第6番」が1967年となっている。 紹介LPは1985年リリースの英EMI-ドイツ盤で1985年 リリース盤である。 当時はまだLP・CDの共存時代だった (写真1 LPジャケット、英EMIドイツ盤ED 29 0408 1 /写真2 LPレーベル面)。