ショルティ&ロンドン・フィルによるエルガー管弦楽曲アルバム
ゲオルグ・ショルティ(1912~1997)がイギリス国籍を得て彼にナイトの称号が贈られたのが1972年のことだった。 以後「サー・ゲオルグ・ショルティ」と呼ばれることになる。 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とは1950年代から客演、レコード録音も重ねており1979年シーズンからは首席指揮者・芸術監督を1983年まで務めている。 筆者は幸いにして当時彼が指揮するロンドン・フィルの定期公演に生で接することができた (漫遊記19・20)。 今回の紹介盤、ロンドン・フィルとのエルガー管弦楽曲アルバムは首席指揮者就任前の1976年~77年のセッション盤である。 収録作品はエルガーの代表作品から管弦楽のための行進曲集「威風堂々」(完成された第1番~第5番)、演奏会用序曲「コケイン」、そしてエルガー編曲版によるイギリス国歌 ”ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン”となっている。 ちなみにロンドン・フィルが国歌演奏の際には必ずこのエルガー版を使用するそうである。 このアルバムでは英デッカ録音の素晴らしさとショルティ&ロンドン・フィルによる華麗なサウンドが楽しめる。 個人的には演奏会用序曲コケインが好きでしょっちゅう針をおろしている。 コケイン(Cockaigne)とは首都ロンドンの古い呼称らしい。 別名「In London Town」としても知られている。 日本では「ロンドンの下町」と訳されることが多いがエルガーがイメージした所はロンドンの中心部だったようだ (写真1 LPジャケット、国内盤ロンドンSLA 1169 -1978年リリース/写真2 LPレーベル面)。