ジェームズ・ロッホラン&日本フィルを聴く(2)、1985
〜1985年12月16日「日本フィル第377回定期公演」、 東京文化会館にて〜
前回(漫遊記201)ではジェームズ・ロッホランが「日本フィルハーモニー交響楽団」と初共演した1980年の公演を中心に紹介したが今回は筆者も強烈な印象が残る1985年12月定期公演を取り上げたいと思う。
この12月定期では待望の「ブルックナー交響曲第8番」を振るとのことで多くのファンの期待は高まった。 当時のロッホランはまだブルックナーをレコード録音しておらず果たしてどのような演奏になるのか筆者も胸をはずませながら会場の東京文化会館へ向かったことを覚えている。 前回1980年来日時に聴いた重厚なベートーヴェンから今回のブルックナーも同様に重厚な響きを期待せずにはいられなかった。 結果は筆者の期待を裏切ることなく重厚で荘重なブルックナー・サウンドが会場いっぱいに鳴り響いた。 特に「第3楽章アダージョ」は美しかった。 もし当時の録音が残っていたらぜひもう一度聴いてみたいところである(写真1 1985年12月日本フィル第377回定期公演プログラム表紙/写真2 同、公演曲目ブルックナー交響曲第8番/写真3・4 「日本フィル」を指揮するロッホラン(1985年12月定期公演プログラムから)。
尚、彼のブルックナー交響曲録音では2005年4月、デンマークの古都オーフスに本拠を置く「オーフス交響楽団」とオーフス大聖堂でライヴ録音された「第7番」の素晴らしい演奏がCD化されている(写真5)。