ジャーマン・クラシカル・ロックナイト コンサート - つくば科学万博 `85 -
ニナ・ハーゲン ロックコンサート、1985年8月20日 EXPO PLAZAにて
「ジャーマン・クラシシカル・ロックナイト」と題したコンサートは「つくば科学万博」の「ドイツ連邦共和国(当時)」の「ナショナル・デー」イベントとして1985年8月20日、万博会場内「EXPO PLAZA」で午後4時30分から開催された。タイトルの通りクラシック音楽とロック音楽の融合、クロスオーバーをねらったイベントであった。イベントの監修はドイツの著名な現代電子音楽作曲家・指揮者エバーハルト・シェーナー(Eberhard Schoener) があたっていた。ギリシャ、キプロス出身の名ピアニスト、ニコラス・エコノム(Nicolas Economou、1993年交通事故で昇天(40歳))も出演し名演奏を披露した(写真1)。また管弦楽は「新日本フィルハーモニー交響楽団」が共演に駆けつけ指揮者シェーナーのアレンジによるクラシック音楽とロック音楽をクロス・オーバーさせた数々の作品を演奏、会場内の聴衆もいつの間にかそれにのめり込んでいたのがとても印象的だった(写真2 「新日本フィル」を指揮するシェーナー)。
ところでこのプログラムはミュンヘンの「バイエルン放送局」の人気番組でもあり今回はその番組収録も兼ねていたようである。さらに「衛星回線」でこの”つくば”の「EXPO PLAZA」と「ミュンヘンBMW博物館ホール」を直接結び双方から演奏しあうといういかにも「科学万博」らしい世界初の試みもなされた。生中継のため生じてしまう往復0.6秒の音のズレを巧みに処理してシェーナー自身の作曲による「シノプシス・イン・C」のオーケストラとシンセサイザーとのコラボも見事だった。
このコンサートでもう一つ注目されたのがドイツの世界的人気ロック歌手「ニナ・ハーゲン(Nina Hagen)」のコンサートである。この年、彼女はブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「ロックフェスティバル」に参加後来日公演も実現、そして「科学万博」の「ドイツ・ナショナル・デー・イベント」にも出演する運びになったようである。驚いたことに彼女はビゼーの歌劇「カルメン」から「ハバネラ」を披露したことである。まさにこれはタイトルの通り「クラシック」と「ロック」の融合で彼女らしく音楽には「クラシック」も「ロック」もないことを見せつけてくれたようだ(写真3・4・5 EXPO PLAZAで熱唱するニナ・ハーゲン)。この年に発売されたアルバム「Nina Hagen in EKSTASE」(写真6 LPジャケット表/写真7 LPジャケット裏)からもいくつか披露してくれた。コンサート終了後、わずかな時間だったが彼女と雑談することができ良い思い出になった。実際に会って話してみるととても気さくな方でユーモアもあり「万博のイベントに出演でき楽しかった」との感想が私にとってはとても嬉しかった。写真8は彼女が私に直接書いてくれたイラストとサインである。写真9はニナ・ハーゲンと共に、EXPO PLAZAバック・ステージでのスナップ。