ジョルジュ・ジョルジェスクの世界初出盤CD

以前、「漫遊記334」でルーマニア国営レコード・レーベル「エレクト・レコード(ELECT RECORD)」から名匠「エマヌエル・エネスク」指揮のLPを紹介したことがあるが今回は「ジョルジェ・ジョルジェスク(George Georgesc /1887-1964)が指揮するCD取り上げてみたい。彼の名前はこれまで録音の数も少ない上、まして日本では国内盤でのリリースも無かったためほとんど知られてないと思われる。
写真1は2013年に先のルーマニア「エレクト原盤」マスター・テープから世界初CD化されたものである。収録されたフランク「交響曲ニ短調」・R. シュトラウス「交響詩”ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」はいずれもオリジナル・ステレオによるライブ録音である。 管弦楽はブカレストに本拠を置く「ジョルジェ・エネスク・フィル」、ジョルジェスクは1955年より亡くなる1964年までこの楽団の芸術監督を務めていた。 しかも前者のフランクは1964年6月15日「ルーマニア国立放送局ホール」におけるライブで彼が亡くなる3ヶ月前の最後の演奏会となった。 彼はフランクを大変得意としているようでCDには演奏終了後の拍手はカットされているが白熱のライブの雰囲気が伝わってくる。 カップリングされた「ティル・オイレンシュピーゲル」はこれより2年遡る1962年5月20日のライブ、彼はR. シュトラウスとも親交があったそうである。こちらの録音状態は各楽器群が鮮明に捉えられさらに素晴らしい。 ただ演奏後の拍手はこちらもカットされている。 ジョルジェスクのシャープで切れ味ある演奏がとても印象的である(写真2  CD演奏データ)。

写真1    ジョルジュ・ジョルジェスク&ジョルジュ・エネスク・フィル「フランク交響曲ニ短調ほか」CDジャケット(東武ランドシステム-ルマーニア・エレクトERT1026-2)

写真2    CD演奏データ