ジンマン&チューリヒ・トーンハレ管/R. シュトラウス管弦楽曲作品アルバムから
今回は巨匠ディヴィッド・ジンマンがチューリヒ・トーンハレ管弦楽団首席指揮者時代ARTE NOVA CLASSICSに録音したリヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲作品アルバム第1弾となった交響的幻想曲”イタリアから”と交響詩”マクベス”にスポットをあててみたい。 前者はシュトラウス22歳の1886年ブラームスの勧めもありイタリア旅行した際の印象を4楽章構成で標題音楽にまとめた作品、第4楽章には当時流行した登山電車のCMソング「フニクリ・フニクラ」のテーマが使われている。 また後者の「マクベス」はシェークスピアの戯曲を題材にした劇的な作品だが初演時の評判が芳しくなかったようでその後改訂が重ねられた。 コンサートでもプログラムにあがる機会が少ない作品の一つである。 このジンマンのキレのある引き締まった演奏は聴き手を飽きさせない名演である(写真1 CDジャケット、ARTE NOVA-74321 77067 2 /写真2 CD録音データ)。
ところでこれまで度々来日を重ね名演を聴かせているジンマンの初来日は今から半世紀余り前の1969年彼が33歳を迎える新進指揮者時代、東京交響楽団に客演した時だった。 筆者もまだ学生時代に東京文化会館で聴いたプログラムはオール・チャイコフスキー・プログラム、幻想的序曲「ロメオとジュリエット」、中村紘子が弾くピアノ協奏曲第1番そしてメインは交響曲第6番ロ短調”悲愴”だった。 当時のコンサート・プログラムならびに若きジンマンの写真も合わせて紹介しておきたい(写真3 1969年6月ジンマン&東響特別演奏会プログラム表紙/写真4 若きジンマン、プログラム掲載写真)。