ジンマン&ボルティモア響来日公演を聴く、1994
~1994年11月11日、サントリホールにて~
アメリカ東部メリーランド州ボルティモアを本拠地とする「ボルティモア交響楽団(Baltimore Symphony Orchestra)」が初来日公演を行ったのは1994年11月のことだった(写真1 初来日公演チラシ/写真2 チラシ裏面)。同行した指揮者は音楽監督のデイヴィッド・ジンマン(David Zinman)、ちなみに彼の初来日は1969年6月「東京交響楽団」の客演まで遡る。当時彼はまだ33歳、「東響'69アサヒビールコンサート」で日本各地で指揮台に立ち筆者は当時最終日6月20日東京文化会館での公演を聴いた(写真3 1969年「東響アサヒビールコンサート公演プログラム表紙/写真4 演奏曲目(筆者はプログラムAを聴く)/写真5 若きデイヴィッド・ジンマン」)。
話を本題に戻し四半世紀ぶりに聴くジンマンは一段と風格も備わり筆者が会場に足を運んだ1994年11月11日のコンサートでは世界的チェリスト、ヨーヨー・マを迎えたエルガーの「チェロ協奏曲」では優美で味わい深い演奏を聴かせていた。メインのラフマニノフ「交響曲第2番」はすでにCDもリリースされおり期待通り少々渋味も感じるこの作品のメランコリックな美しい旋律が会場に響き渡った(写真6 筆者が聴いたプログラムG / 写真7 1994年「ボルティモア響初来日公演プログラム表紙」 / 写真8 筆者が足を運んだ公演チケット)。当時、このオーケストラは全米で「ニューヨーク・フィルハーモニック」、「クリーヴランド管弦楽団」等々に迫る人気でまさに絶頂期であったことも忘れることができない。歴代の音楽監督はジンマンの後、テミルカーノフを経て現在は女流指揮者マリン・オルソップが2007年より引き継いでいる。