ステンハンマルの交響曲
今回はフランツ・ベルヴァルド(Franz Berward /1796~1868)と並ぶスウェーデンを代表する音楽家ヴィルヘルム・ステンハンマル(Wilhelm Stenhammar /1871~1927、写真1CD解説掲載写真)の交響曲にスポットをあててみたいと思う。
彼の作品も日本ではコンサートで演奏される機会が少ないため知名度も低い。 しかし彼の作品にはワーグナー、ブルックナーなどの作風も見られ後期ロマン派的な影響も受けている。 それは若きステンハンマルがピアニストとしてベルリンに留学したこともあるからであろう。彼は生涯に3つの交響曲作品に手掛けているが1903年完成の「第1番」は自身により撤回、「第3番」はスケッチ断片のみが遺されたため「第2番」(1915)が事実上彼自身が認める交響曲作品となる。 今回紹介するCDは1984年にスウェーデン「BISレーベル」よりリリースされたネーメ・ヤルヴィ指揮イェーテボリ交響楽団のコンサート・ライブ盤である (写真2 ステンハンマル「交響曲第2番ほか」N. ヤルヴィ&イェーテボリ響 、ジャケット、 BIS CD-251)。 「第2番」は演奏時間約40分余りを要する4楽章構成、ステンハンマル自身も首席指揮者を務め自身の指揮で初演も行ったたこの「イェーテボリ響」に献呈されている。 スケルツォ楽章「第3楽章」のトリオにあたる木管が奏でる旋律が印象的である(写真3 CD各曲演奏時間データ)。 録音は交響曲が1983年9月16日ライブ、CDの頭に収録された「演奏会用序曲”エクセルシオール”」は1983年9月1日のライブで会場はいずれも「イェーテボリ・コンサート・ホール」である (写真4 CD録音データ)。 ちなみに「エクセルシオール(EXCELSIOR)」は日本語では一般的に「天の高みに昇らん」と訳されている。 ヤルヴィはその後1990年代初頭に「ドイツ・グラモフォン」にもセッション録音でこの2作品を撤回された「第1番」と共に再録音している。