スリランカの仏教遺跡群を巡る(3、完)、1978年正月
「スリランカ仏教遺跡群を巡る」第3回目はスリランカ仏教文化の中心として栄えた古都「アヌラーダプラ」と「ポロンナルワ」の遺跡を紹介したい(位置は「漫遊記232」観光マップ参照)。
先ず「アヌラーダプラ(Anuradhapura)」の歴史は古くすでに紀元前3世紀頃から栄えた都である。 街には仏塔が目に入るが筆者も訪れた「ルワンウェリ・サーヤ大塔(Ruwanweli Seya Daagoba)」はこの街のシンボルでもあり世界遺産に登録されている(写真1 ルワンウェリ・サーヤ大塔)。 大塔は無数の象で装飾されていた(筆者撮影1978年1月4日)。 またインドの「アショーカ王」の王妃が「ゴータマ・ブッダの菩提樹」の苗木をこの地に運び植樹されたとされる「スリーマハー菩提樹」(写真2筆者撮影・1978年1月4日)は人間の手により植樹された樹木では世界最古のものと云われている。
ここからスリランカ仏教遺跡の宝庫と云われる「ポロンナルワ(Polonnaruwa)」へは約80kmバスで約2時間半である。 中世の古都「ポロンナルワ」の見どころは「クワドラングル(Quadrangle)」と呼ばれる「四辺形」を意味する城壁で囲まれた遺跡群と「ガル・ヴィハーラ(Gal Vihara)」の立像と涅槃像であろう。 クワドラングルに入ると目に留まるのが「トゥーパーラーマ(Thuparama)」と呼ばれる「仏堂」である(写真3 筆者撮影1978年1月4日)。 この「仏堂」はクワドラングルの遺跡の中でもとりわけ保存状態が一番良好とされている。 また「ワタダーゲ(Vatadage)」と呼ばれる7世紀ごろの遺跡「円形仏塔跡」も見逃せなかった。 仏塔の先には座像が配置されていた(写真4 筆者撮影1978年1月4日)。 次にまたこれより少し離れたところに位置する「ガル・ヴィハーラ」にある立像と涅槃像も印象的だった。 これらの仏教遺跡を眺めていると当時仏教芸術に華やいだこの古い都がわかるような気がした(写真5 ガル・ヴィハーラの立像と涅槃像、1978年1月4日筆者撮影)。 ちなみに立像の高さは約7m、涅槃像の長さは約15mあるそうである。 (写真6筆者撮影)も同地区内の立像で点在する数々の仏教遺跡はとても1日では見切れなかった。 なにしろこの街全体が「世界文化遺産」に登録されているのだから・・・
(おわり)