バレンボイム&パリ管弦楽団を聴く
「ベートーヴェン音楽祭・ボン、1977」(1)
ダニエル・バレンボイム&パリ管弦楽団を聴く - 1977年9月、ボンにて –
ベートーヴェンの生まれ故郷ボンを中心に開催される「ベートーヴェン音楽祭・ボン(Beethovenfest Bonn)のルーツは古くそれはベートーヴェン生誕75周年の年の1845年にまで遡ると云われている。その当時は不定期開催だったが第二次大戦中の中断を経て戦後再開当初は隔年ごとがしばらく続いた。その後、私が訪れた1970年代に入ると3年ごとの開催になりそして現在は財政支援等も受け毎年開催されているようだ。開催時期は9月から10月にかけての約3週間前後である。因みに私が出かけた第29回目にあたる1977年は9月10日から30日にかけて当時世界で活躍中の超一流アーティスト迎え華やかに開催された。コンサートのメイン会場は「ベートーヴェン・ホール・大ホール」(Beetovenhalle Bonn-Großer Saal)である。(写真1 1977年音楽祭総合プログラム表紙/写真2 ボンのベートーヴェン・ホール)私は9月10日の音楽祭初日- オープニング・コンサート(ダニエル・バレンボイム&パリ管弦楽団)、翌11日、オーケストラ・コンサート2日目(レナード・バーンスタイン&ウィーン・フィル)そして13日にはボンの「市立劇場」で上演されたベートーヴェン歌劇「フィデリオ」をスウェーデンの名オペラ指揮者、シクステン・エールリング(SixtenEhrling)の指揮で鑑賞した。
その中から今日はオープニング・コンサート、「パリ管弦楽団」演奏会にスポットをあててみたい。このコンサートでは当然のことながらベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第1番」のバレンボイムの弾き振りが注目された。元々ピアニストとして活躍していた彼は60年代後半から70年代にかけ「イギリス室内管弦楽団」と弾き振りで録音した「モーツアルト/ピアノ協奏曲全集」(英EMI)で一気に注目され当時人気もうなぎのぼり、その実力は言わずもがなであった。もちろん当日の演奏(弾き振り)も満員の聴衆の期待を裏切ることなく見事な彼のベートーヴェン像を描いていた。休憩後に演奏された「エロイカ」は彼の堂々とした指揮ぶりに圧倒された。またパリ管サウンドもフルに発揮され特に金管群が会場いっぱいに響き渡っていた。コサート終了後いつものようにプログラムにサインを入れてもらい会場を出たのは午後10時半を回っていた。ライン河沿いの街コブレンツにほど近いホテルに着いたのは既に午前0時を過ぎ長い1日が終了した。(写真3-演奏会プログラムとバレンボイムのサイン・写真4-コンサート・チケット)