バーバーのチェロ協奏曲
1945年、セルゲイ・ク―セビツキ―と「ボストン交響楽団」からの委嘱、ロシア出身の名チェリスト「ラヤ・ガルブゾヴァ(Raya Garbousova)」のために作曲されたバーバーの「チェロ協奏曲作品22」は抒情性に富み作品に深みを感じさせる傑作である。 しかし日本ではまだ生で聴く機会が少ないのは残念である。今回紹介する1枚は今年73歳を迎えたアメリカ出身の名チェリスト「ラルフ・カーシュバウム(RalphKirshbaum)」が1988年に録音したバーバーの初録音盤である。 指揮は以前にも紹介したフィンランド出身の「ユッカ=ペッカ・サラステ(Jukka-Pekka Saraste)」(漫遊記423)、管弦楽は「スコットランド室内管弦楽団」サラステは当時この楽団の首席指揮者を務めていた (写真1 カーシュバウム、バーバー「チェロ協奏曲」ほかCDジャケット 英Vergin Classics-VC 7 91083-2 / 写真2 サミュエル・バーバー 、CDジャケット裏面写真 / 写真3 ロジャー・カーシュバウム、CD解説掲載写真)。 このほかCDにはバーバー22歳の若き傑作「チェロ・ソナタ作品6」もカーシュバウムの力演で聴ける。 この作品も先のチェロ協奏曲」と共に「ロマティシズム」が色濃い作品である。 ピアノはイギリスの伴奏の達人「ロジャ―・ヴィニョ―ルズ(Roger Vignoles)が務めている。 さらにバーバーの作品の中で最も人気が高い「弦楽のためのアダージョ」もサラステ指揮「スコットランド室内管弦楽団」の演奏で楽しめる(写真4 CD収録作品)。