パウル・クレツキ&フィルハーモニア管 のシベリウス交響曲第3番
ポーランド出身(後にスイス帰化)の名匠パウル・クレツキ(Paul Kletzki/1900~1973、写真1)も日本では地味な存在だったが1960年代中期から後期にかけチェコ「スプラフォン」録音のベートーヴェン「交響曲全集」をはじめとして数々の名盤を遺している。 初来日は1963年11月、日本フィル定期客演と記憶しているが筆者は1968年6月、当時エルネスト・アンセルメの後継として首席指揮者に就任したスイス・ロマンド管弦楽団初来日公演だった。 ちなみに筆者が聴いたプログラムは東京文化会館6/23のBプロだった (写真2)。 プログラムのメインを飾ったムソルグスキー(ラヴェル編曲)組曲「展覧会の絵」、フィナーレの強烈なサウンドは今でも印象に残っている。
マクラが長くなってしまったが紹介盤はクレツキ55歳の時の英EMI1955年モノラル録音のシベリウス交響曲第3番ハ長調である。 イギリスのオーケストラは元来シベリウスを大変得意としておりこの演奏も例外ではなくクレツキとの息のあった名演である。 尚、第二面にはシベリウスを得意したダヴィッド・オイストラフのヴァイオリン協奏曲 (1954年モノラル録音)をカップリング、バックのシクステン・エールリンク指揮ストックホルム祝祭管弦楽団による演奏も興味深かった。 オイストラフ壮年期の名録音である (写真3 LPジャケット、米Angel-ANG.35315/写真4 LPレーベル面)。