ピエール・デルヴォー、N響との初共演を聴く、1965
〜1965年1月13日、N響第452回定期公演・東京文化会館にて〜
NHK交響楽団の定期公演のプログラムを整理中に懐かしいフランスの名匠「ピエール・デルヴォー」(写真1 N響第452回定期公演プログラム(1965)から)の1965年N響初共演のプログラム(写真2)がでてきたので今回記憶をたどりながら紹介してみたい。 彼はパリの「コンセール・コロンヌ管弦楽団」の音楽監督を1958年から亡くなる1992年まで34年の長きに渡って務めあげた。 筆者が中学時代にウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲を17cm盤レコードで聴いたのもデルヴォー指揮のコロンヌ管弦楽団によるもので当時から何故か親しみを感じていた。 当時デルヴォーはこの第452回定期と臨時の特別公演の2回を振りプログラムも得意とするフランスものが中心だったと思うが臨時公演ではワーグナーやリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」なども取り上げていた。 とりわけ筆者が聴いた定期公演ではラヴェルの「ボレロ」のほかはカバレフスキー歌劇「コラ・ブルニョン」序曲、フロラン・シュミット舞踊組曲「サロメの悲劇」、イベール「喜遊曲」と現在でも日本では演奏される機会が少ない作品が演奏された。 半世紀余りも前のコンサートなので詳細な記憶は残っていないがデルヴォーの指揮を生で接することができたことは貴重な体験だったと思っている(写真3 第452回N響定期演奏曲目)。 写真4は筆者が1970年代にパリの中古レコード店で見つけたデルヴォー&コロンヌ管弦楽団によるドヴォルザーク「交響曲第9番<新世界から>」のLP(仏DUCRETET THOMSON盤) 1961年12月12日のコンサート・ライヴ録音だがこれを聴くと意外に彼の指揮は個性的でアクも強かったことがわかる。 また写真5は同コンビによる1962年1月14日コンサート・ライヴとされるベルリオーズ「幻想交響曲」の2006年初CD化(原盤は同仏デュクレテ・トムソン)でこれまで日本ではLPでも未発売だった貴重盤で海外コレクターの間では「幻の名演」と云われていたものである。