ピエール・デルヴォーの「ダンディ作品集」
フランス近代音楽の推進者でもあるヴァンサン・ダンディ(Vincent d’Indy /1851~1931、写真1)の作品は日本ではあまり演奏される機会が少ないのが残念だ。 彼はR.ワーグナーに傾倒、面識を持ち1876年「バイロイト祝祭劇場」における「指輪」初演に参席している。 今回紹介するピエール・デルヴォー(Pierre Dervaux)のロワール・フィルハーモニー管弦楽団との1978年録音ダンディ作品集は珍しいアルバムだった。 フランスの名指揮者ピエール・デルヴォーは1965年初来日、NHK交響楽団に客演したことも懐かしい (写真2 ピエール・デルヴォー、1965年N響定期客演プログラムから/写真3 同プログラム表紙)。 さてこの写真のLPジャケットはフランス・パテ(Pathé Marconi)の1979年初出盤で「デルヴォー&ロワール・フィル」によるダンディ作品第2集にあたる(写真4 仏パテLPジャケット/写真5 LPレーベル面)。 ちなみに「ロワール・フィル」の正式名称は「L’Orchestre Philharmonique des Pays de Loire」、美しい中世の古城が点在するロワール河下流に沿ったアンジェ(Angers)市とナント(Nantes)市を本拠とする1971年創立の楽団でデルヴォーは初代首席指揮者を務めた。 アルバムにはダンディの管弦楽作品から「山の夏の日(Jour d’été à la montagne)」・「魔の森(La forêt enchantée)」そして原曲ピアノ作品の「旅の画集(Tableaux de voyage)」から6つの小品を選んだ管弦楽版が収められている。