ピエール・ブーレーズのベルリオーズ「レリオ」

ベルリオーズの代表作「幻想交響曲」の続編(完結編)のモノドラマ「レリオ」― 生への回帰(Lélio, ou le retour à la vie)は作曲者自身も「幻想交響曲」とセットで演奏してほしい語っていたらしいがとりわけ日本では演奏される機会はほとんどないといっても過言ではないだろう。  筆者も実際に会場で聴いた小澤征爾指揮新日本フィルによる原語上演(幻想交響曲とセットで演奏-2002年「東京の夏」音楽祭)での公演が印象に残るくらいである(写真1  2002年「東京の夏」音楽祭公演チラシ)。 今回紹介するLPはもちろん後にCD化もされているが現在もレコードに針を下すピエール・ブーレーズ指揮ロンドン交響楽団・合唱団にイギリスの名テノール「ジョン・ミッチンソン」と名バリトン「ジョン・シャーリー=カーク」そして大事な語り手にフランスの往年の名俳優、演出家、劇団主宰者「ジャン=ルイ・バロ―」による1967年の名録音である (写真2  ジャン=ルイ・バロー(インターネット画像から)。 この作品は語りて役が重要ですぐれた俳優が必要とされている。 バローは1942年のフランス映画ベルリオーズの伝記を描いた「幻想交響楽」では主役のベルリオーズを演じまさにこの「レリオ」にうってつけの語り役である。 この録音はLPジャケットにも記載のとおり世界初の全曲録音でもあり当初は「幻想交響曲」との2枚組でリリースされていたが1974年に分け売りで単発でリリースされたものである (写真3  ブーレーズ&ロンドン響・合唱団ほか語り手ジャン=ルイ・バローによる「レリオ」国内盤LPジャケットCBS SONY SOCM 84)。

写真1    小澤征爾&新日本フィル-ベルリオーズ「幻想交響曲」と「レリオ」公演チラシ(2002)

写真2    ジャン-ルイ バロー(インターネット画像から)

写真3    ベルリオーズ「レリオ」/ブーレーズ指揮 ジャンールイ ・バロー(語り)LPジャケット(CBS SONY SOCM 84 1974年リリース)