フォルクスオパーの「魔笛」を観る
夏の「ウィーン国立歌劇場」、1987
フォルクスオパーの「魔笛」を観る - 1987年8月13日、ウィーン国立歌劇場 -
1987年当時、「ウィーン・フォルクスオパー」は夏のヨーロッパ音楽祭期間に舞台を「ウィーン国立歌劇場」に移し公演を行っていた。(写真1 国立歌劇場の「フォルクスオパー公演」告知・筆者撮影)この時の出し物はヨハン・シュトラウスIIのオペレッタ「こうもり」とモーツアルト歌劇「魔笛」の二演目であった。私は「ザルツブルク音楽祭」からの帰途「ウィーン」に立ち寄り8月13日の公演、「魔笛」を鑑賞した(写真2 フォルクスオパー夏・ウィーン国立歌劇場公演プログラム表紙)。演出はレオポルト・リントベルク、プログラムによればこの方は1902年ウィーン生まれ、ヨーロッパの主要オペラハウスや音楽祭で演出家として活躍しまた映画監督としても名をはせたとある。しかしこの公演の3年前の1984年に亡くなっている。舞台セットデザインと衣装監督はミュンヘン出身のロルフ・ランゲンファスがあたる。歌手陣では高僧ザラストロにジョン・トムリンソン(バス)を起用。彼は当時まだ41歳。若きトムリンソンのダイナミックな声量に圧倒される。その後ワーグナー「パルジファル」ではグルネマンツが彼の当たり役となった(写真3 プログラム・キャスト紹介からジョン・トムリンソン)。夜の女王は米国出身のカスリーン・カセッロ(ソプラノ)が歌う(写真4 プログラム・キャスト紹介)。彼女はコロラトゥーラ・ソプラノとして活躍。まさに夜の女王にうってつけの役だった。しかし惜しまれつつ昨年(2017年)に58歳の若さでこの世を去った。そのほか第2の侍女にマルガレータ・ヒンターマイヤーの顔も見える。会場に笑いを誘うモーツアルトのジングシュピール(歌芝居)の世界が広がる楽しい夜のひと時だった。指揮はブラチスラヴァ出身のオペラ指揮者イヴァン・パリク(写真5 プログラム・指揮者紹介)、演奏はウィーン・フォルクスオパー管弦楽団・合唱団のメンバーである。公演プログラムには日本語による「あらすじ解説」のページもありこの頃から日本からの聴衆も増え始めたことが推察される(写真6 プログラム・あらすじ日本語解説)。
(写真7 スタッフ・指揮者・キャスト一覧)(写真8 チケット)