フランドル楽派のピエール・ドゥ・ラ・リュー作曲の「レクイエム」

今回は15世紀後半から16世紀にかけて現在のベルギー南部を中心に活躍したいわゆるフランドル楽派の音楽家からピエール・ドゥ・ラ・リュー(Pierre de la Rue/1460(?)~1518)の「レクイエム」ほかを収めたLPを紹介したい。 ラ・リューが活躍した時代は同楽派でよく知られているジョスカン・デ・プレ(Josquin des Prés)とほぼ同時代である。 この時代はポリフォニーによる宗教音楽作品が数多く作曲された。 とりわけこの「レクイエム」は彼の代表作の一つである。 またLP裏面に収められたミサ曲「苦しみは栄光もて回復せり」も「レクイエム」と同様の四声のポリフォニー作品、声楽の美しい響きに静かに耳を傾けたい作品である。 紹介盤は中世、ルネッサンス期作品のスペシャリスト、シャルル・ラヴィエ(Charles Ravier/1934~1984)が指揮するパリ・ポリフォニーク・アンサンブルの演奏(1964年7月録音)、日本フィリップスから1979年に廉価盤として再リリースされた (写真1 LPジャケット、日本PHILIPS-13PC-207/写真2 LPレーベル面)。  尚、この国内盤初出盤は1971年度の「日本レコード・アカデミー賞(音楽史部門)」に輝いている。

写真1    LPジャケット(国内盤PHILIPS 13PC-207)1979年リリース盤

 

写真2    LPレーベル面