フルトヴェングラー自作自演-「交響曲第2番」ライブ盤
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー自作自演「交響曲第2番ホ短調」は1951年12月ベルリンの「イエス・キリスト教会」における「ベルリン・フィル」とのセッション録音(ドイツ・グラモフォン盤)の名盤があるが今回は最晩年1954年3月30日のシュトゥットガルトにおけるコンサート・ライブ盤を取り上げてみたい。
フルトヴェングラーはこの1954年3月「アメリカ大陸諸国間会議」がヴェネズエラの首都「カラカス」で開催されその開会コンサートに客演指揮者として「ヴェネズエラ交響楽団」の指揮台に立った(1954年3月19日・21日)。 その後ヨーロッパに戻り3月26日スイスのチューリッヒで「チューリッヒ・トンハーレ管弦楽団」、30日にシュトゥットガルトで「南ドイツ放送交響楽団」に客演、ベートーヴェン「交響曲第1番ハ長調」と自作の「交響曲第2番ホ短調」を振った。 今回紹介するCDは後者「南ドイツ放送局(Süddeutscher Rundfunk)」所蔵音源より楽団創立50周年を記念して1996年に独「MEDIA PHONレーベル」からリリースされたものである(写真1 CDジャケット (独MEDIA PHON-JA-75.100(2CD) / 写真2 演奏・録音データ / 写真3 CDレーベル面)。 演奏は言うまでもなくベートーヴェン「交響曲第1番」と共に白熱の名演である。 モノラル録音だがさすがに放送局音源、音質も大変良好、CD-2の「トラック6」にはコンサート開始前に行われたこの楽団の初代首席指揮者ハンス・ミューラ=クライ(Hans Müller-Kray)のフルトヴェングラーへの貴重なインタビューの一部が収録されている。 またこのCDのオーケストラ表記はCDリリース当時(1996年)のシュトゥットガルト放送交響楽団となっているが正しくは「「南ドイツ放送交響楽団」が正当であろう。尚、現在は1998年ドイツ公共放送の統合により元の「南ドイツ放送交響楽団」に戻っている。