フルトヴェングラー&ベルリン・フィルによるブルックナー「交響曲第5番」ほか、1942年
今回は音源テープが戦後ロシアに渡たったヴィルヘルム・フルトヴェングラー&ベルリン・フィルによる戦時中の名ライブ録音から取り上げてみたい。 紹介LPは1992年に露メロディアよりリリースされた「フルトヴェングラー歴史的名ライブ・シリーズ」である。 音源は当時のドイツ帝国放送局での録音、1942年10月25日、28日両日のコンサート・プログラムからシューマン「チェロ協奏曲」とブルックナー「交響曲第5番」を収めた2枚組でLPリリースされ当時大変話題になった。 録音はドイツが開発したマグネトフォン(Magnetophon)式テープ・レコーダーによるものでこの当時最高の音質を誇ったと云われている。 またコンサートの頭にはグルックの歌劇「アルセスト (Alceste)序曲」も演奏されているがこのテープの所在は不明のようである。 シューマンのチェロ協奏曲を弾くティボール・デ・マヒュラ(Tibor de Machula/1912~1982)は当時ベルリン・フィルの首席チェロ奏者で戦後はアムスタルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席チェロ奏者も務めた名手である (写真1 LPジャケット、露メロディアM10 42555-58/写真2 LPレーベル面)。