ベルリオーズ 「幻想交響曲」、私のこれ1枚
スタニスラウ・スクロヴァチェフスキ指揮ロンドン交響楽団(CD-英Chandos・CHAN 8727)
ポーランド出身の名指揮者スタニスラウ・スクロヴァチェフスキ(Stanislaw Skrowaczewski / 1923-2017、写真1インターネット画像)はベートーヴェンやブルックナーを得意とし「読売日響」の常任指揮者、2010年からは桂冠名誉指揮者を務め日本のファンを魅了した指揮者だった。 今回の「私のこれ1枚」は彼が「ロンドン交響楽団」とレコーディングしたベルリオーズ「幻想交響曲」(Chandos CD-CHAN8727、写真2 CDジャケット)を取り上げてみたいと思う。 この録音は1989年1月30日から31日にかけてロンドンの「オール・セインツ教会・トゥーテイング(All Saints Church,Tooting、写真3インターネット画像)で行われている。 この教会はオーケストラや室内楽の録音会場として知られている。 スクロバチェフスキとベルリオーズの組み合わせも当時興味津々で筆者も思わず購入したCDだった。 早速聴いてみると演奏は想像した以上にズッシリと重量感ある演奏に驚いた。 全体にテンポも遅めにとり「第1楽章(夢-情熱)」と「第4楽章(断頭台への行進)」の反復を実行、さらに「第3楽章(野の風景)」はさらにテンポを落とし遠雷を表現するティンパニーも印象的であった。 終楽章「ワルプルギスの夜の夢」のグロテスクな響き、教会の鐘も鋭角的に響く。 演奏時間も60分を超えるが時間も忘すれてしまうほど演奏にのめり込んでしまった1枚だった(写真4 CD各楽章演奏時間)。 尚、彼はこの録音の後2002年11月に「OEHMS CLASSICS」に「ザーリュブリュッケン放送響」と再録音しているがこの演奏では「第1楽章」・「第4楽章」の反復は実行していない。
ベルリオーズ 幻想交響曲:(https://ml.naxos.jp/work/388589):スクロヴァチェフスキ指揮ザーリュブリュッケン放送響