ペーター・シュライヤーを偲んで
12月25日、ドイツの世界的テノール歌手日本のファンも多いペーター・シュライヤーが故郷のドレスデンで84歳の生涯を終えた。 たびたびの来日公演で親しみも感じた名匠がまたひとり去り寂しくなった。 筆者が今も一番印象に残る来日公演は1977年1月のベルリン国立歌劇場公演でモーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」-ドン・オッタヴィオを演じたシュライヤーである (指揮:オトマール・スウィトナー会場 NHKホール)。 モーツアルト歌手として定評どおり艶やか張りのある声に陶酔した (写真1 1977年「ベルリン国立歌劇場来日公演プログラム表紙)。(写真2はオペラ公演の合間を縫って開催されたリサイタルのチラシである。 また彼はバッハのマタイ受難曲の福音史家として活躍、宗教音楽を得意とし複数ある録音の中から(写真3)は指揮と福音史家も兼ねてレコーディングし当時話題となったマタイ受難曲の演奏である。 歌手陣にはイエスにテオ・アダム(バス)、ソプラノにルチア・ポップなど往年の名歌手をそろえている。 オーケストラはドレスデン・シュターツ・カペレ合唱にはライプツヒ放送合唱団・ドレスデン教会少年合唱団が参加している (写真3 シュライアー指揮「マタイ受難曲」全曲CDジャケット-PHILIPS 412 257-2(3CD) 1984年8月~9月ドレスデン・聖ルカ教会デジタル録音)。