ミュージカル「オペラ座の怪人」を観る

プリンセス劇場、1993(夏)

ミュージカル「オペラ座の怪人」を観る - 1993年2月15日、メルボルンにて-

「シドニーオペラハウス」でオペレッタ「メリー・ウィドウ」を鑑賞後、私は次の訪問地メルボルンに向かった。メルボルンはシドニーに次ぐ大都市でビクトリア州の州都である。この地に本拠を置く「メルボルン交響楽団」は当時日本の岩城宏之が常任(首席)指揮者を務めていたがコンサート日程が合わず残念ながら聴くことができなかった。何か興味深いイベントがないか物色していたところ滞在ホテル・ロビーのインフォメーションでミュージカル「オペラ座の怪人」公演ポスターを見て早速今晩のチケット手配を依頼した。幸いにして何とか席が確保できたとのことでホテルから徒歩圏内の会場、「プリンセス劇場(The Princess Theatre)」(写真1・2筆者撮影)に出かけた。この辺り一帯は歴史的建造物が多く立ち並び劇場は「州議事堂」の斜め向かいに位置していた。開演は午後8時、夏のメルボルンはまだ明るい。開演前の劇場正面入り口は大勢の観客でにぎわっていた。この「プリンセス劇場」の建設は19世紀に遡りその風格ある豪華な建築様式に圧倒された。
今回の上演は世界を代表する英国のミュージカル・プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュ(Cameron Mackintosh)によるプロデュースということで大変注目を浴びた公演でもあった。彼はこれまでこの「オペラ座の怪人」はもちろんのこと「レ・ミゼラブル」や「キャッツ」など数多くのミュージカルを大ヒットさせた人である。タイトロールの「オペラ座の怪人」に当たり役のロブ・ゲスト(Rob Guest) (写真3 公演プログラムから)、相手役(クリスティーヌ・ダーエ役)にマリナ・プライヤー(Marina Prior)(写真4 公演プログラムから)を起用、彼女は当時この役を得てスターの座を不動にしたと云われている。この公演を観て感じたことだが出演者の歌唱力は言うまでもなく彼らのダイナミックな演技も忘れることができなかった(写真5 キャスト一覧、プログラムから)。後にタイトロールのロブ・ゲストが2008年心臓発作で倒れメルボルンの病院で58歳の若さで亡くなったニュースは大変ショックを受けた。また普段の私がほとんど生で接することがないミュージカル、しかも人気の「オペラ座の怪人」を生で鑑賞できたことは貴重な体験となり良い思い出になった。
(写真6 公演プログラム表紙)(写真7 公演チケット)

写真1 「オペラ座の怪人」の公演が行われたプリンセス劇場

写真2 公演が行われたプリンセス劇場

写真3 タイトロールの「オペラ座の怪人」役のロブ・ゲスト

写真4 クリスティーヌ・ダーエ役を歌ったマリナ・プライヤー

写真5 ミュージカル「オペラ座の怪人」のキャスト一覧

写真6 ミュージカル「オペラ座の怪人」公演プログラム表紙

写真7 ミュージカル「オペラ座の怪人」公演チケット