メシアン / 世の終わりのための四重奏曲
フランスを代表する20世紀の現代音楽家オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen/1908~1992)は神学者、鳥類学者として博学多才で知られた人だった。 今回紹介する「世の終わりのための四重奏曲(Quatuor pour La Fin du Temps)」(1940)は彼が第二次世界大戦でドイツ軍の捕虜となった際に収容所で「ヨハネの黙示録」から霊感を得て作曲されたピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネットによる室内楽作品である。 全8楽章の多楽章構成、演奏時間もおよそ45分を要する大曲だがメシアン独特の神秘的な音の色彩感に魅了される。 紹介LPは初演時のメンバー、メシアン自身のピアノ、エティエンヌ・パスキエ(Étienne Pasquier(1902~1997)のチェロのほかジャン・パスキエ(Jean Pasquier/ 1903~1992)のヴァイオリン、クラリネットのアンドレ・ヴァセリエ/André Vacellier/1909~1994)を新たに加えた1950年代の歴史的貴重録音である。 仏ムジディスク(Musidisc-France)の音源、1970年代初頭の日本コロムビア廉価盤シリーズのパルナス1000シリーズから1971年にリリースされた (写真1 LPジャケット、REM 1504-MU/写真2 LPレーベル面) 。 モノラル録音だが音質も大変素晴らしい。