メータ&イスラエル・フィル来日公演を振り返えって、2000年

ズービン・メータ&イスラル・フィルの来日公演については既に「漫遊記94」で楽団23年振りの1983年公演を取り上げているが今回はメータが珍しくショスタコーヴィチの交響曲第5番を振った2000年来日公演を振り返ってみたい。 メータはバースタインと共にこの楽団とのつながりは深く1969年に音楽顧問、1977年には音楽監督、そして1981年には終身音楽監督に就任している。 しかし情報によれば本年(2019年)10月には音楽監督を退任する意向があるとのことである。 さて、このミレニアム・イヤーの来日公演は2月23日東京・サントリーホールを皮切りに最終公演3月5日の「シンフォニア岩国」(山口県)まで延べ10公演が行われ公演プログラムは
Aプロ=ベートーヴェン「交響曲第1番ハ長調作品21」、ブルックナー「交響曲第4番変ホ長調”ロマンティック”」
Bプロ=リムスキー・コルサコフ「交響組曲”シェエラザード”作品35」、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調作品47」
の二つが組まれていた。 ただAプロは東京公演の初日と札幌公演の2公演のみで残りは全てBプロが演奏されている(写真1  メータ&イスラエル・フィル2000年来日公演プログラム表紙  / 写真2  Aプロ・Bプロ演奏曲目並びに公演日程)。
筆者は東京公演の2日目2月24日のBプロに足を運んだ。 Bプロ前半の演奏曲目R.コルサコフ交響組曲「シェエラザード」はメータが十八番とする作品、絵巻物を見るように各楽章に間を置かず流れるような演奏スタイルに惹きこまれてしまった。さらに注目は後半に演奏されたメータの「ショスタコーヴィチ」だった。 筆者はメータが振るショスタコーヴィチの交響曲を生で聴いたのはこの「第5番」がもちろん初めてだった。 それだけにどのような演奏になるか興味津々に耳を傾けた。 やはりこの作品の聴かせどころでもあるフィナーレはさすがに圧巻だった。 イスラエル・フィルの金管群、打楽器群も激しく火を吹いた。 その迫力が今でも印象に残っている。 またメータのショスタコーヴィチの交響曲は未録音なので今後の録音も期待したいところである。 写真3は当日コンサート終了後にプログラムに入れてもらったサイン、写真4は当時「イスラエル・フィル来日記念」に出版された書籍「イスラエル・フィル誕生物語」(牛山 剛 著)である。 メータはこの書籍の見開きページにも快くサインを入れてくれた(写真5)。 写真6は2月24日のコンサート・チケットである。

写真1    メータ&イスラエル・フィル2000年来日公演プログラム表紙

写真2    A・Bプロ演奏曲目と公演日程

写真3    プログラムに入れてもらったメータのサイン

写真4    イスラエル・フィル誕生物語(牛山 剛 著)

写真5    [書籍見開きページ」に入れてくれたメータのサイン

写真6   当日のコンサート・チケット