ユリアン・フォン・カーロイのショパン

今回はショパンやリストのスペシャリストとして知られるハンガリー出身のユリアン・フォン・カーロイ(Julian von Károlyi/1914~1993、写真1)によるショパン「ピアノ協奏曲第2番/ソナタ第2番”葬送”」がカップリングされた懐かしいLPにスポットをあててみたい。 このレコードは半世紀を遥かにこえる昔1960年前後に東芝エンジェル・コサート・クラシックス/1200円廉価盤シリーズの1枚としてリリースされたモノラル盤である。 ちょうど当時、東芝レコー」が誇る赤盤、エバークリーン・レコードが登場した頃である (写真2 LPジャケット、東芝エンジェルXLP 1020/写真3 LPレーベル面)。 今聴き直してみると彼のショパン、派手さはないが直向きなアプローチが伝わってくる。 協奏曲の指揮はかつてNHK交響楽団の常任指揮者も務めたドイツの名匠ウィルヘルム・シュヒター、管弦楽はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と申し分ない。 録音年代は記載がないため不詳だが1950年代中期と思われる。 原盤は独エレクトローラでカーロイはこのコンビで同時期に「第1番」も録音しており「第2番」にはこのセッション盤のほかにティタニア・パラス」(ベルリン)における1950年6月4日のレオ・ブレッヒ指揮&ベルリンRIAS交響楽団とのコンサート・ライブ録音も残されている。

写真1    ユリアン・フォン・カーロイ(インターネット画像)

写真2    ユリアン・フォン・カーロイのショパン「ピアノ協奏曲第2番」ほか、LPジャケット(国内盤東芝エンジェル XLP 1026)

写真3    LPレーベル面