ヨゼフ・クリップス&ウィーン・フィルによるチャイコフスキー「交響曲第5番」
ウィーン出身20世紀の名匠ヨゼフ・クリップス(Josef Krips/1902~1974、写真1)のウィーン・フィルとの共演盤はどれを聴いても素晴らしい。 とりわけ1958年に録音をされたチャイコフスキー「交響曲第5番ホ短調 作品64」は個人的に特に気に入った演奏である。 彼はサンフランシスコ交響楽団音楽監督時代、楽団を率いて1968年4月最初で最後の来日を果たし大阪国際フェスティバルに参加、東京のほか地方都市でも公演を行った。 紹介LPは筆者がまだ高校時代の1965年にキング-ロンドン・レコードからステレオ1200シリーズ廉価盤でリリースされた懐かしの1枚である。 当時の英デッカ録音会場ソフィエンザール(Sofiensäle、ウィーン)でのセッションと思われるがその録音の素晴らしさとクリップスの格調高い指揮ぶりがうかがえる。 ちなみに彼のチャイコフスキー交響曲録音はこのほかに以前に取り上げたConcert Hall録音へのチューリヒ・トーンハレ管弦楽団との「第6番”悲愴”があるのみである(写真2 LPジャケット、国内盤キングーロンドンSMR 5010/写真3 LPレーベル面)。