ヨッフム&バンベルク響来日公演でブル8を聴く、1982
- 1982年9月15日NHKホール-
南ドイツ、バイエルン州に位置し街の建築群から中世を彷彿させる古都バンベルクに本拠を置く「バンベルク交響楽団」の初来日は1968年5月に遡る。NHKの招聘により当時の常任指揮者ヨーゼフ・カイルベルトと共に東京を皮切りに札幌・仙台・名古屋・大阪・松山・福岡などの主要都市で公演を行った。この時私は5月20日の公演をカイルベルトの指揮で聴いている(写真1 1968年初来日公演プログラム表紙)。因みにプログラムはハイドン「交響曲第101番<時計>」/R.シュトラウス「交響詩<ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」/ブラームス「交響曲第4番」であった。この公演では1965年よりこの楽団の副指揮者を務めた岩城宏之も指揮台に立っている。
それから14年余りが経過した1982年9月15日、2回目の来日公演はオイゲン・ヨッフム、レオポルト・ハーガーの二人の指揮者により行なわれた。この時の目玉は東京初日の公演ヨッフムが振るブルックナー「交響曲第8番」であった(写真2 1982年来日公演プログラム表紙/写真3 Aプロ・ブルックナー「第8番」)。私は何とかB席(NHKホール2階席右側)を入手した(写真4 コンサート・チケット)。チケットを見るとコンサート開始時刻も午後7時10分とどういうわけかこの公演だけイレギュラーなのが印象に残った。この公演は当日「NHKFM」で生中継され私も忘れずタイマー録音をして会場に出掛けたのだが コンサートから戻りFMチュナーのモードがモノラルになっていたことに気づきガックリしたことも忘れられない。しかし2001年になりようやく「Altus」から「想い出のシンフォニー」としてCD化されホッとした(写真5 本公演のライヴCD)。さすがにヨッフムは「ブルックナーの権威」と云われただけにこの演奏も月並みの表現だが「ヨッフム入魂のブルックナー」であった。特に「第3楽章アダージョ」は秀逸で何度聴いても素晴らしい。
この公演からおよそ36年の年月が経過、本拠地の演奏会場も「ドミニカナー・クロスターバウンテン(Dominikaner Klosterbauten/元ドミニコ系修道院)(写真6)」から1993年に開設された「バンベルク・コンツェルト・コングレスハレ(Konzert und Kongresshalle, Bamberg)(写真7)」の「ヨーゼフ・カイルベルトザール」に移し現在の首席指揮者チェコ出身のヤクブ・フルシャのもとで活動を続けている。