ルーマニア国営レコード・レーベル ”エレクト・レコード”から
~ジョルジェ・エネスク「交響曲第3番ハ長調 作品21」~
エマヌエル・エレネスク指揮ルーマニア国立放送交響楽団・合唱団
今回は1932年に設立されたルーマニア国営レーベル「エレクト・レコード(ELECT RECORD)」から1枚取り上げてみたい。
冷戦時代の昔は日本では入手困難だったレーベルだった。 クラシック分野のラインナップも自国の作品、アーティストたちが中心で今回紹介するジョルジェ・エネスク(GerogeEnescu/1881-1955)の交響曲などの注目盤も多かった。
ルーマニアを代表する作曲家・ヴァイオリニストのエネスクは自国ルーマニアとフランスで生活した関係もあり「Geroges Enesco(ジョルジュ・エネスコ)」とフランス語表記されることもある。
今回紹介するエネスクの「交響曲第3番ハ長調作品21」のLPは1970年代に偶然パリの中古レコード店で見つけた1枚である。 演奏はエマヌエル・エレネスク指揮ルーマニア国立放送交響楽団・合唱団によるモノラル録音である。 ジャケット・デザインにはルーマニアの画家、コルネリウ・ババ(Corneliu Baba/1906-1997)が描いたエネスクの肖像画が用いられている(写真1 エネスク「交響曲第3番」LPジャケット-ELECT RECORD Romania –ECE-0152モノラル録音 / 写真2 レコード・レーベル面 / 写真3 ジャケット裏面(解説-ルーマニア語・フランス語)。 このレコードで指揮をしているエマヌエル・エレネスク(Emanuel Elenescu/1911-2003)はこの「ルーマニア国立放送響」の音楽監督も務めた人である(写真4 エマヌエル・エレネスク)。 因みにこの「第3番」はエネスクの番号付き交響曲最後の作品(3楽章構成)で1919年パリで作曲されている。 演奏時間は約45分、フィナーレ「第3楽章」には歌詞のない合唱も加わり神秘的な作品になっている。