ヴィクトル・デ・サーバタ、戦後の名盤から ( 1)
イタリアの名匠ヴィクトル・デ・サーバタ(Victor de Sabata / 1892~1967、写真1 マリア・カラスとのツーショット)はトスカニーニの後任としてミラノ「スカラ座」芸術監督を戦前・戦後にかけて務めた人である。 また戦後はロンドン・フィルハーモニックとベートーヴェン・ツィクルスを行うなどコンサート指揮者としても力量を発揮した。 今回はその当時「英デッカ」にセッション録音したベートーヴェン交響曲第3番”エロイカ” (1946年5月録音)を紹介したい。 また彼の戦後録音は還暦を過ぎた頃に病に倒れたためその数が少なくこのロンドン・フィルハーモニックとの録音も貴重なものとなった。 テンポもやや遅めに取り旋律をじっくりと歌わせる「エロイカ」は今聴いても魅力的である。 モノラル録音だが音質は良好でCDにはこのほか当時並行録音されたベルリーオーズの序曲「ローマの謝肉祭」シベリウス「悲しきワルツ」ワーグナー「ワルキューレの騎行」が収められている。 「エロイカ」も含めいずれもサーバタ唯一のスタジオ・セッション録音である(写真2 CDジャケット、国内盤ロンドンPOCL 3904 1995年リリース)。