中国、江南地方の景勝地を巡る旅(2)、2013年6月

〜 蘇州・寒山寺を訪ねて、2013年6月2日 〜

蘇州の古刹「寒山寺」、中国語では「ハンシャンスー」と発音するそうだがこの寺院は唐代の役人・詩人の張継(ちょうけい)が詠んだ漢詩、楓橋夜泊(ふうきょうやはく)でも知られている(写真1  漢詩「楓橋夜泊」張継、インターネット画像から)。 境内には石碑もあり内外から多くの観光客が訪れている(写真2 「 楓橋夜泊」の石碑、筆者撮影)。 因みにこの詩は船旅をしていた張継が蘇州(姑蘇)城外の「楓橋」近くで停泊していた船中で夜を迎えた時の情景を詠んだと云われている。 カラスの鳴き声だけが聞こえる静かな夜、寒山寺の夜半を知らせる鐘の響きが船まで聞こえる情景が伝わる味わい深い詩である。
さて寒山寺の歴史は古く6世紀初頭にまで遡り、張継のこの詩は8世紀中ごろに詠まれている。 その後時代の戦闘や火災等による焼失を繰り返し現在の寺院は清時代末期20世紀初頭に建立されたもので建造物自体は比較的新しい(写真3  寒山寺の山門、筆者撮影)。 伽藍配置は東西に細長く大雄宝殿(本堂)(写真4筆者撮影)、蔵経楼、五重塔(写真5筆者撮影)等々見ごたえがある。 また昔、仏書等を収蔵していた蔵経楼の屋根には西遊記の登場人物、三蔵法師や孫悟空の石像がある(写真6筆者撮影)。 また通路の壁にある「レリーフ」も美しかった(写真7筆者撮影)。
(つづく)

写真1    漢詩「楓橋夜泊」張継(インターネット画像から)

写真2    「楓橋夜泊」の石碑(筆者撮影)

写真3    寒山寺の山門(筆者撮影)

写真    大雄宝殿の本堂(筆者撮影)

写真5    寒山寺の五重塔(筆者撮影)

写真6    「蔵経楼」屋根にある「西遊記」の石像(筆者撮影)

写真7    寺院通路、壁のレリーフ(筆者撮影)