北イタリア、レール・パスの旅(1)、1999年12月
〜 ミラノにて 〜
1999年12月10日、筆者はスカラ座2000年シーズン開幕プログラム、リッカルド・ムーティ指揮によるベートーヴェン歌劇「フィデリオ」を鑑賞するためミラノに飛んだ(写真1 スカラ座、筆者撮影/ 写真2 ベートーヴェン歌劇「フィデリオ」のポスター(スカラ座)、筆者撮影)。 この模様については既に昨年6月の「漫遊記41」で紹介済みだがこの折にレール・パスを利用して北イタリアのヴェネツィア、ジェノヴァなどの街を急ぎ足で回ってみた。 今回よりまた数回に渡り「北イタリア、レール・パスの旅」と題し綴ってみたいと思う。
この北イタリアの経済、文化芸術発信の街ミラノに筆者が初めて訪れたのはもう半世紀近く前の1973年のことである。 当時もスカラ座でジャナンドレア・ガヴァッツェーニの指揮でムソルグスキーのオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」を鑑賞した記憶がある。 またレオナルド・ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」で有名な「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」もこのミラノにあり共に世界遺産に登録されている(写真3 サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会、筆者撮影)。 筆者が初めてミラノを訪問した1973年当時この壁画もフラッシュを使用しなければ撮影できたことも懐かしい(写真4 修復前の「最後の晩餐」、1973年3月筆者撮影)。 半世紀近く前の状態も悪いピンボケ写真なのだが今回は資料写真として掲載させていただいた。 そして損傷が激しかったこの壁画は1977年からおよそ20年余りの歳月をかけ修復され再び見学が可能となった。 しかし見学は完全予約制となり写真撮影は2015年まで禁止が続いたようである。
ところでミラノのシンボルでもある世界最大級のゴシック建築の大聖堂「ドゥオモ」はいつ見ても圧倒される(写真5 ドゥオモ / 写真6 ドゥオモの祭壇とステンドグラス、筆者撮影)。 この「ドゥオモ広場」から歩いて数分の位置にあるミラノの城塞「スフォルツェスコ城」は現在「市立美術館」として公開されている(写真7 ガリバルディ将軍騎馬像とスフォルツェスコ城、筆者撮影)。 市内を走る路面電車もレトロ車両が未だに健在だったことも魅力だった(写真8 レトロな路面電車、筆者撮影)。 日が落ちると街にはクリスマス・イルミネーションが美しく輝いていた(写真9筆者撮影)。
(つづく)