南ドイツ、バーデン=バーデンのオーケストラ
シュヴァルツヴァルト(Schwarzwald)、ドイツ語で「黒い森」と呼ばれる地帯の北に位置するバーデン=バーデン(Baden-Baden)はヨーロッパの観光・保養地として知られ温泉地としても賑わっている (写真1 バーデン=バーデン、ポスト・カード)。 またこの街は南西ドイツ放送局(SWR)の拠点でこのSWRに所属するオーケストラとして1946年に創設されたのが南西ドイツ放送交響楽団(Südwestfunks Sinfonieorchester, Baden-Baden)であった。 しかし1998年には放送局の組織変更に伴いこの「SWR」とシュトゥットガルトの南ドイツ放送局(SDR)の統合によりバーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団と名称も変更になった。 ちなみに余談になるが元々SDRに所属していた有名なシュトゥットガルト放送交響楽団も現在はSWRに所属している。 「漫遊記487」では現代音楽のスペシャリスト「ミヒャエル・ギーレン」のCDをすでに取り上げているが今回は二代目首席指揮者を務めたハンス・ロスバウトがフランスの天才的ヴァイオリニスト「ジネット・ヌヴー」との共演、ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」(1949年9月25日クアハウス、バーデン=バーデンにおけるライブ録音)と「交響曲第8番」 (1961年6月23日・24日バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ放送録音)を収録した1枚を紹介しておきたい。 このヌヴーのライブ録音は彼女が航空事故で亡くなるおよそ1ヶ月前の貴重録音である(写真2 ハンス・ロスバウト&南西ドイツ放送響歴史的録音CDジャケット、独hänssler classic-CD 93.033)2002年リリース)。