国民的歌手、エンターテイナー"坂本 九"の想い出、1978

〜1978年9月9日、「デビュー20周年記念リサイタル」、中野サンプラザホールにて〜

今回の「漫遊記」はいつもと視点を変え昭和の国民的歌手「九ちゃん」(坂本 九)の想い出話を紹介したいと思う。  彼は老若男女から愛され親しまれた真のエンターテイナーであった。 筆者も小学生時代からラジオ、テレビから流れてくる彼独特の歌い方にハマってしまい大ファンになってしまった。 当時彼の新譜が発売されると300円を握りしめ街のレコード店に喜び勇んで走ったものだ(写真1   1961年4月・東芝レコードマンスリー第1面に掲載された九ちゃんの記事/写真2   同、記事に紹介された"九ちゃんのズンタタッタ”のシングル・ジャケット)/写真3   1961年4月当時の東芝レコード洋盤・邦盤人気ベスト10(同、レコード・マンスリーから)。 これからも彼の人気度の凄さが伝わってくる。 因みに全世界に大ヒットした「上を向いて歩こう」がリリースされたのはこの年の10月のことだった。 そんなわけで筆者もクラシック・コンサートと共に彼のリサイタルにもよく出かけたものだがとりわけ1978年(昭和53年)9月9日中野サンプラザで開催された「デビュー20周年記念リサイタル」は今も強く印象に残っている。 以前のような爆発的人気は一段落したがさらに大きな飛躍を期待し「芸能生活20周年記念盤」-「自由への旅立ち」をリリース、このコンサートで披露している。 またかつての仲間、ダニー飯田とパラダイスキング、森山加代子も応援に駆けつけて満員の会場は大盛だった(写真4   デビュー20周年記念 坂本 九リサイタルプログラム表紙/写真5  公演チケット)。 また彼はカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団のプロコフィエフ「ピーターと狼」国内盤の語りを1965年9月に東芝レコーディング・スタジオで吹き込んでいる。 日本語版の脚色は永六輔が担当している(写真6  坂本 九語りによるカラヤン&フィルハーモニア管のプロコフィエフ「ピーターと狼」(1956-57年録音)国内盤LPジャケットAA-8130)。 さらに1985年の「つくば科学万博」では「EXPO PLAZA」で開催された「クリスタルガラス楽器によるコンサート」(3/24・4/20・8/5の3回開催)の司会・進行役に出演、そのウィットに富んだ軽妙な語りは観客の笑いを誘っていた。 写真7は公演最終日に楽屋にお邪魔した際に色紙に九ちゃんらしい一文をつけて書いて頂いたサインである。

写真1    東芝レコード マンスリー1961年(昭和36年)4月号ー当時、人気上進中の九ちゃんの記事

写真 2    東芝レコードマンスリー4月号の第1面に紹介された九ちゃんのズンタタッタのシングル・ジャケット(JP-5058)

写真3    当時(1961年4月)の東芝レコードの洋盤 邦盤のベスト10

写真4    坂本 九デビュー20周年記念リサイタル プログラム表紙(1978年9月9日 中野サンプラザ)

写真5    坂本 九デビュー20周年記念リサイタル チケット(1978年9月9日中野サンプラザ)

写真6    坂本 九が語りを務めたプロコフィエフ「ピーターと狼」東芝国内盤LPジャケット(東芝AA-8130 1965年12月発売)

写真7    「つくば科学万博 '85」催事出演の際、色紙に書いて頂いた九ちゃんらしい一文とサイン