夭折の名指揮者グィード・カンテッリ

巨匠アルトゥーロ・トスカニーニの目に留まり欧米を駆け巡って活躍していたイタリアの名指揮者グィード・カンテッリ(Guido Cantelli)は1956年11月、ニューヨーク・フィルハーモニック客演のため搭乗した航空機が離陸に失敗し墜落、36歳の若さで不慮の死を遂げた。 代役は38歳のレナード・バーンスタインが務めたそうだが当時のショックは大変大きかったことだろう。 カンテッリはヴィクトル・デ・サーバタの後任としてミラノ・スカラ座音楽監督に指名され事故の1週間前にはスカラ座管弦楽団とのコンサートも行っておりこれが彼の生涯最後のコンサートとなった (写真1 「スカラ座管を振るカンテッリ」ミラノ・スカラ座-1956.11.17) 。 夭折のため彼のレコード録音は数少ないが伊Stradivariusレベールから1988年にリリースされたNBC交響楽団とのコンサート・ライブ録音(1954年2月21日・カーネギー・ホール)ベートーヴェン交響曲第5番は彼らしくキレのある演奏でその素晴らしさは演奏後の興奮した聴衆の拍手にも表れている (写真2 CDジャケット、伊Stradivarius-STR 10001/写真3 CD演奏・録音データ)。 尚、このStradivarius盤にはこのほかピエール・モントゥー&ボストン交響楽団によるライブ録音ベートーヴェン交響曲第4番(1963年12月1日・ボストン・シンフォニー・ホール )も収められておりこちらも聴きごたえある演奏だった。

写真1    ミラノ・スカラ座管弦楽団を指揮するG. カンテッリ(生涯最後の公演、1956.11.17 インターネット画像)

写真2    G. カンテッリ&NBC響「ベートーヴェン交響曲第5番」(伊Stradivarius-STR 10001) 1988年リリース

写真3    CD収録演奏・録音データ