小澤征爾、日本フィル時代の伝説の名盤から
〜 武満 徹「カシオペア」・石井眞木「遭遇II」 〜
今回は1972年度「日本レコード・アカデミー賞」(特別部門/日本人作品)にも輝いた小澤征爾&日本フィルハーモニー交響楽団ほかによる伝説の名盤、武満 徹「カシオペア」・石井眞木「遭遇II」が収録された国内盤オリジナルLPを取りあげてみたい。 これは以前「漫遊記657」で紹介した小澤征爾&潮田益子/シベリウス&ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲」録音と同時期1971年6月の「東京・杉並公会堂(旧)」におけるセッションである。 従って担当録音技師も同様に英EMIのピーター・アンドリー(Peter Andry)とカーソン・テイラー(Carson Taylor)があたっている (写真1 LPジャケット、東芝AA-8872 /写真2 演奏・録音データ/写真3 LPレーベル面)。 両作品ともに1971年に発表され「カシオペア」は独奏打楽器と管弦楽のための作品、「遭遇II」は尺八とピアノによる「遭遇I」(1970)に続く雅楽と管弦楽のための作品である。 「カシオペア」の演奏には当時「赤い仏像(Red Buddha)」で世界的センセーションを巻き起こした打楽器ソロ奏者「ツトム・ヤマシタ」が加わる。 どちらもステレオ臨場感あふれる録音が大変素晴らしい。