小澤&トロント響を聴く、1969

~1969年4月19日、東京文化会館にて~

小澤征爾が弱冠30歳の若さで前任のワルター・ジュスキントの後を引き継ぎ「トロント交響楽団」の音楽監督に就任したのは1965年のことだった。その4年後、小澤が務める音楽監督最終シーズンにこの「トロント交響楽団」初来日公演は1969年春「大阪国際フェスティバル」参加で実現した。私はフェスティバル公演後の東京公演初日4月19日、会場の東京文化会館に足を運んだ(写真1 東京公演日程)。東京公演ではチャリティー公演を含む4つのプログラムが用意されていたが興味深かった武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」が演奏される「プログラムA」を選択した(写真2 東京公演プログラム(A)(B)/写真3 プログラム(C))。またこの東京公演プログラム(写真4 東京公演プログラム表紙)にはチャリティー公演の「プログラム(D)」の掲載がなかったが手元の資料に「チャリティー公演」のチラシが出てきたので合わせて紹介しておきたい(写真5 「小澤&トロント響・チャリティー公演チラシ-プログラム(D)」)。私が注目した「ノヴェンバー・ステップス」はもちろん琵琶-鶴田錦史、尺八-横山勝也が共演、そして小澤の指揮、すでにこのメンバーでレコーディングも完了しておりその息のあった演奏に心酔した。またプロコフィエフやベートーヴェンでは若き小澤の指揮に圧倒された。尚、当時、プログラム(C)ではノヴェンバー・ステップス第2番「グリーン」となっているが後に作曲者自身により「ノヴェンバー・ステップス第2番」を外し題名を単に「グリーン」と改めている。(写真6)は「大阪国際フェスティバル初日公演(4/14)、当時の少々辛口新聞評である。

写真1 小澤&トロント響、東京公演日程

写真2 小澤&トロント響、東京公演プログラム(A)(B)

写真3 小澤&トロント響、東京公演プログラム(C)

写真4 小澤征爾&トロント響、東京公演プログラム表紙(1969)

写真5 小澤&トロント響、東京・チャリティー公演チラシ(プログラムD)

写真6 小澤&トロント響、大阪国際フェスティバル公演初日の新聞評