懐かしの「東芝セラフィム名曲ダブル・シリーズ」から
今回は1970年代中頃に当時の東芝EMI廉価盤「セラフィム(SERAPHIM)」レーベルでリリースされた懐かしの2LPダブル・シリーズから取り上げてみたい。 紹介盤はマーラースペシャリストの一人としても知られたヤッシャ・ホーレンシュタイン(写真1) が晩年ロンドン交響楽団と録音したチャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」並びにシベリウスのスペシャリストであるタウノ・ハンニカイネン(写真2)がシンフォニア・オブ・ロンドンと録音したシベリウス「交響曲第5番」、「カレリア組曲」を組み合わせた2LPである。 いずれの録音も日本では地味な存在だったが骨太のスケール感を感じさせなかなか味わい深い演奏だ。 チャイコフスキーは1967年5月、英EMI録音会場の一つとして知られたキングスウェイ・ホール(Kingsway Hall)でシベリウスが1959年1月、ハマースミス・タウン・ホール(Hammersmith Town Hall)におけるステレオ・セッションで音質もまた良好である (写真3 LPジャケット、東芝EMI-SERAPHIM -AA5119-20/写真4 LPレーベル面)。
ちなみにこのハマースミス・タウン・ホールは1930年代ロンドン市庁舎として使用され歴史的建造物で知られている。
ハンニカイネンのシベリウス交響曲録音は意外に少なくこの他に同コンビ同会場録音の「第2番」と1950年代、露メロディアでのソヴィエト国立交響楽団との「第4番」(モノラル録音)があるくらいである。